本気なの!?トランプ氏がティムクック氏にiPhoneのアメリカ生産を要求!
強気な発言で注目を集め、見事大統領選挙に勝利し大統領就任が決まったドナルドトランプ氏ですが、選挙期間中に「俺が大統領になったらiPhoneはアメリカで作らせてやる!」という趣旨の発言をしたことについては以前の記事で詳しくお伝えしましたが、AppleのCEOティムクック氏に電話でiPhoneをアメリカで作るように指示したそうです。
以前の記事でお伝えした通り私はこのiPhoneのアメリカ生産を指示する発言は人件費問題などであまりに非現実的なパフォーマンスだと思っていました。政治はパフォーマンスがつきものです。例を挙げれば核なき世界を実現するといいつつ必要な核を保持し続けた某大統領や、ほぼ無計画で二酸化炭素を25%削減することを明言し、1年未満でやめた某元総理大臣など様々ですが、ドナルドトランプ氏の場合はあからさまに非現実的な発言を多数繰り返していて、この発言もその氷山の一角だと思っていました。
しかしいざ大統領に本当になると決まったら彼は行動に出ました。The New York Timesのインタビューによると、ドナルドトランプ氏は当選後AppleのCEOティムクック氏にiPhoneをアメリカで作るよう電話で要求しました。「そんなの無理に決まってるじゃん」と思うかもしれませんが、そんな適当に政策を推し進めているわけではありません。ドナルドトランプ氏はその代わりに減税をすることを約束しました。つまりアメリカ生産を行うと人件費が中国で生産するよりかかりますが、その代わりに工場にかかる税金を減税することでコストを釣り合わせるという計画です。
ドナルドトランプ氏の選挙期間中の発言には人種差別や女性蔑視とも解釈できる発言がたくさんあり問題になりましたが、正直この行動力に私はただ「トランプすごい…」と驚くばかりでした。
私はアメリカに住んでいるわけではなく、直接的に深い関わりがあるわけでもありませんが、アメリカの雇用の流失は深刻さについてよく耳にします。中国やメキシコに比べてかなり物価が高く、グローバル化の中どうしても労働力が安い国で商品を生産してしまう企業が出てきたり、それどころか賃金が安い不法移民をアメリカ国内で雇用してしまうケースも存在するようです。
あまり私はAppleのことは責めたくないのですが、Appleはずる賢い企業だと思っています。税金逃れ、異常なノルマ、そして外国企業に組み立てを受注するなど海外の安価な製品との競争を考えたらやむを得ないのかもしれませんが、卑怯に感じられる手段を駆使しています。Apple以外の多くのアメリカのメーカーも同様ですが、海外との競争をするため結果としてアメリカの企業にもかかわらずアメリカでの雇用は企業の規模を考えると十分とは言えません。そんな中で、減税という手段を使ってアメリカ人の雇用を生み出すトランプのこの政策は賛否両論ありますが、私は素晴らしいと思いました。
一方で…
iPhoneの組み立てを行うFoxconn側は乗り気ではありません。いくら減税されるとはいえ、やはりそれでもコストが跳ね上がってしまうことからアメリカ国内での生産に反対し、行わないことをFoxconnのCEOが示唆しています。また、BloombergにもFoxconnのCEOが、トランプ氏と彼が似ていることを挙げた上で、コスト面でiPhoneはアメリカで生産できないとも主張しています。
FoxconnがアメリカでiPhoneを生産する動きを見せない限りiPhoneが生産されることはないので、就任後のトランプ氏の動きに注目です。